アクネ菌とは？
にきびの発生原因になっているのは、にきび用洗顔料のCMなどで紹介されているアクネ菌であることは良く知られています。
アクネ菌は右の画像のような姿をしており、アクネ菌はニキビの原因になるということだけで、アクネ菌の本当の役割については知らない人も多いのではないでしょうか。
ニキビ用洗顔料等のCMのおかげで、アクネ菌は悪い菌というレッテルを張られてしまっていますが、実際は悪い菌ではないのです。
本来、アクネ菌とは皮膚の酸性度（pH）を適性に調整するために必要不可欠な常在菌なのです。
常在菌とは常に皮膚の中に存在している菌のことを指します。
健康な人間の肌であれば弱酸性（pH4.5〜6.0程度で中性がpH7.0）で、弱酸性を保つことで細菌やカビの繁殖を抑えて体内に侵入させないようにしているのです。
皮脂線から出た皮脂を分解し、脂肪酸を産出することで肌の弱酸性化を行い、肌を適度な弱酸性に保つ働きをしています。
健康な肌に保つためにいい働きをしてくれるアクネ菌ですが、その反面悪い一面もあります。
アクネ菌は酸素が嫌い（嫌気性菌）な菌の為、毛穴の出口の角化がおきやすい体質の方の場合、毛穴が栓をされ、詰まってしまいニキビ菌自体が空気中の酸素から遮断されます。
するとニキビ菌が爆発的に増殖し大人ニキビや吹き出物が発生、もしくは炎症を起こし悪化させてしまいます。
にきびの原因は肌の様々な細菌が原因
しっかりと洗顔をしているのに大人にきびが治らないという経験はありませんか？
その原因は洗い過ぎた顔、もしくは身体に住んでいるアクネ菌とその他の菌のバランスが乱れてしまう点にあります。
つまり、アクネ菌が過剰に発生したり、別の菌が過剰に発生していることがあるということです。
ですから大人にきびを治療するために洗顔等を頑張った結果が大人にきびや吹き出物の原因になりうるのです。
もちろん、必ずしもアクネ菌だけが悪いのではありません。
アクネ菌以外にも、皮膚には140〜150種類ものたくさんの細菌や微生物達が住んでいますが、皮膚に悪い影響を及ぼす菌やダニなどが原因でもにきびは発症します。
共通することは、みな皮脂を好み、それを栄養源としているということです。
皮膚にはどんな細菌がいるのか？
先に述べた通り皮膚には常在菌といって、いつも皮膚に住んでいる細菌は何種類も存在しています。
それぞれが、それぞれの役割をもっています。
アクネ菌も常在菌の１つです。
常在菌の主なものに、表皮ブドウ球菌があり、皮膚の表面を覆っている代表的な菌です。
この菌も皮脂を栄養源にするのですが、皮膚にとって影響のない脂肪酸を排出し、弱酸性を保ち他の細菌の侵入をガードするいわゆる善玉菌です。
次にエピデルミディス菌（好気性菌）とアクネ菌（嫌気性菌）があり、この二つの菌は酸素を好むエピデルミディス菌が皮膚表面に分布し、酸素を嫌うアクネ菌が毛穴の奥などの皮膚の奥深いところにそれぞれ分かれて住んでいます。
彼ら常在菌が一定の勢力で分布することで、皮膚の弱酸性を維持しながら皮脂層を形成し、有害物質や紫外線、酸素から皮膚を守ってくれている。
つまり、アクネ菌は本来善玉菌であるべき存在なのです。
これら善玉菌に対し、右の画像のような黄色ブドウ球菌は皮脂を好む点では他の菌と同じですが、皮膚に悪い影響を及ぼす脂肪酸をつくりだす悪玉菌です。
アトピー性皮膚炎の方の皮膚にも多く見受けられ、洗濯物にアンモニア臭の嫌な匂いを発生させるのもこの菌が原因です。
このように、我々の体表面はこれらの常在菌の微妙なバランスによって守られており、このバランスが狂うと大人にきびの発生要因となる訳です。
男性は加齢とともにアクネ菌が過剰発生しやすい皮膚環境になる
男性は女性に比べて皮脂が分泌されやすい特徴があります。
下のグラフをご覧ください。
左側が皮脂分泌量のグラフ、右側が水分量のグラフで共に、青色の線が男性で、茶色の線が女性です。
両性とも10代、20代よりも30代の頃が皮脂分泌量のピークです。
さらに、男性は女性と比べて水分量が極端に少ないことが分かります。
男性は生まれながらにして水分量が少なく、皮脂分泌量が多い、オイリー肌傾向にあるのです。
その後、両性とも加齢とともに皮脂分泌量は減少傾向に向かいます。
男性の皮脂分泌量は、女性と比べるとその減少度合は少なく、50代時点で男女の皮脂分泌量を比べるとその分泌量は2〜3倍程も乖離がみられ、男女で皮脂の分泌量に明らかな違いがみられます。
加齢とともに女性は乾燥肌に悩まされていますが、男性の場合はいつまで経っても分泌されてしまう皮脂に悩まされるのです。
分泌される皮脂が多いとアクネ菌はそれをあるだけ食べてしまうのです。
アクネ菌は健康な肌を守る役割を持っているのですが、いつまで経ってもオイリー肌の顔や身体の男性には、やはりアクネ菌も増殖してしまいがちということになります。
正しい洗顔方法できちんと洗顔し、顔の常在菌バランスを保ちpHを適度な弱酸性にキープして大人ニキビ・吹き出物を治療し、予防しましょう。
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